2005年3月8日
窓際に風鈴をつけてみた。
まだ肌寒い風が吹くなかで、
風鈴は、季節感を欠片も感じないで歌っていた。

目を瞑って佇んでみた。
夏の夜にふと感じられる、
肌寒くも心地のよい風を感じた気がした。
夏とともに生きたわたしの記憶や、
夏とともに終わったわたしの夢を
幻のようにわたしは見た気がした。

目を開ければ、色のない春がすぐそこにいた。
風鈴は、季節感を欠片も感じないで歌っていた。

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